□□ 葉山から江ノ島を目指す
また海
はるか向こうに江ノ島
あそこまで行くのかあ
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はるか向こうに江ノ島が見えた
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椰子が揺れる
古いバスが海に話しかける
俺たちの時代は終わったのか
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椰子
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廃車
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江ノ島が近づいた
夕暮れの海岸
みんな遠くを見つめている
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逗子の海岸
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太陽も海に近づく
ぼくが勝つか太陽が勝つか
最後のトンネルに入る
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あと少し、ここを回れば
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パンク
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由比ヶ浜
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□□ あとがき
横須賀を朝9時に出発し、うみかぜ公園で朝のコーヒーを飲み、観音崎あたりではのんびりと散歩気分。灯台に昇り、公園の歩道の木陰を静かに歩いたりして。浦賀から久里浜あたりも漁村の雰囲気が面白かった。でも、そんなことをしていたらどんどん時間がなくなってしまった。はたしてこれで夕方までに江ノ島までいけるのだろうか。
三浦海岸までは順調に進んだ。お昼は『一喜』という店のラーメンを食べようと思っていた。店はすぐに見つかった。ぼくはチャーシュー麺と小ライスをたのんだ。あっさりとしたしょうゆ味でとても美味しかった。水をガブガブ飲んだ。1時になっていた。
道を進んで丘の上に登ったら大きな風力発電の風車があり、風を受けてゴンゴンと回っていた。その姿がとても面白くて、しばらくボーっと眺めていたりした。それでまた時間がなくなった。三浦港に来た頃に足が痛くなった。もうやめようかと思うことしきりだった。城ヶ島に渡ったけれど、急に人が増えて面白くなくなった。
また道を走った。海から離れて行くに従って坂が厳しくなった。三崎口駅前についたのが3時。ホントにもうやめようかと思った。グリコを2粒頬張って、ボトルの水を飲んだらなんとなく走れそうな気がしてきた。ここで帰らなければ次は逗子までいかないと帰りの電車には乗れない。
葉山まできたら遠くに江ノ島が見えた。ガクッと気が抜けるほど遠くに。道は狭く自動車がすれすれにぼくを追い越していった。それからあとはひたすらペダルを踏んだ。
逗子の海岸にきたとき陽はかなり西に傾いていた。もう少し。その岬を越えれば鎌倉由比ヶ浜。そして江ノ島だ。時速20キロくらいで順調に飛ばした。
そしてついに由比ヶ浜に到着した。少しこの景色を眺めようと路肩に寄った。そのとき後輪に太い針金が刺さった。みるみる空気が抜けた。時間はちょうど5時だった。
江ノ島に夕陽が沈みかけている。後少しだったのに。でもぼくの膝はもう悲鳴を上げていた。ここでやめなさい。きっと神様がそういったのだ。確かにこんなに駅に近い場所でパンクしてくれて良かった。なんにもない山の上だったらたいへんだった。
ぼくは自転車を折り畳み、肩からかついで鎌倉駅まで歩いた。そして家に戻った。電車の中で眠らないようにするのが大変だった。
ありがとう。またBD−1で旅してきます。