□□ 05年4月30日(土)
とにかくキャンプしたいと思っていたのである。しばらく放電していないぼくのカラダは、あちこちにガタがきている。もう何日もテントで寝ていない。これは本当にカラダに良くない。しかし、思うようにできないのが世の常。最後にテント生活したのは去年の10月だった。ふ〜。去年の後半は忙しかった。忙しくて呼吸困難に陥りそうだった。実際、最近本当に呼吸困難になる。
で、ようやく今年はじめてのキャンプだ。場所は那珂川。ぼくは愛知県から車にボートを積み、ひたすら走る。途中、東京に家があってよかった。でなければおよそ500キロ延々と走らないといけない。
28日夜。まずはココロの準備である。東京は新宿副都心。いつものキャンプ仲間と集まってビール。新宿西口の居酒屋は狭くて細長いテーブル。気分はテントの中。フォールディングテーブルを並べたような趣。でまた、しょんべん横町で飲み直し。焼き鳥の煙はバーベキューの味わい。さあ、ココロの準備はできた。
30日朝。常磐道は思ったほど混雑しておらず、気持ちよく新緑を抜け、茨城県桂村に到着。道の駅「桂」は裏の駐車場に大小のテントがびっしりだ。
しばらくして粗沈協会面々が集合。
事務局長、「今回は、我が粗沈協会の川下りに若き乙女が参加する。みな、そのあたり十分にココロして、ココロの準備をするように。よって、明日の晩餐は河原で天ぷらである」
と、いうようなことで道の駅桂では、タラの芽、コシアブラ、アクタラの芽、などの山菜と、昔懐かしいイナゴの佃煮が共同購入された。山菜は天ぷら用、イナゴは会長のツマミ用である。酒盛りの準備も万全である。この後、烏山町内のスーパーで今夜の食材を調達することになっている。なお、とりあえず目先の昼飯にと、各自が山菜オコワを購入するという念の入れようでもあった。
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イナゴ 写真で見ると存外気持ち悪いものです
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さて、烏山のスーパーで買い物を済まし、ぼくたちは烏山市内を流れる那珂川の河原にたどり着いた。下野大橋の下。川の駅がある。
ほどなく、乙女も登場した。妙齢の姫様である。みんなで乾杯。到着の儀である。
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乾杯!
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姫様を筆頭に、今回のメンバーは総勢7名である。
河原にはテントが3つ。いよいよ本日のキャンプが始まる。始まれば、することはひとつしかない。まずは今年も元気な姿で飄々と現れた会長のご健勝を祝い、乾杯である。次に、今年も元気な焼き色で現れた「なかのや」の鮎を七輪で焼きなおして、また乾杯である。
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河原のテントサイト もちろん無料
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鮎 元気
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次に、今時珍しいイナゴの佃煮で乾杯である。いや、もう誰も乾杯などしないで、勝手に飲んでいる。まだ時間は4時を少し回ったくらいである。
すぅーっと風が通りすぎるたびに気温が下がっていくように感じる。日がどんどん西に傾いていく。イスに腰を落とし川面を眺めながら焼酎の水割りを飲む。至福である。ここが無料の河原だから余計にありがたく感じる。もう有料のキャンプはできないかもしれない。
夜になって、ぼくは我慢できないほどに眠くなった。カラダが放電したがっている。久しぶりのテント。シュラフに潜り込む。すぐに寝てしまった。
翌朝。
よく寝た。カラダが軽い。快調である。
バナナとコーヒー、事務局長ご自慢のフランスパンサンド、などをモグモグやっていると、すぐに陽が高くなってくる。準備を整え、ようやく出発する。すでに12時近くなっている。目指すところは今日のキャンプ地。およそ3時間ほど下ったところにある河原である。
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元気に出発の儀
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姫様は二人艇の前席で指揮を執る。
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それぞれ気ままに川を下る
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今年の那珂川は水量がやや少な目。両岸の木々もまだ芽吹いたばかり。去年咲いていた藤はまだ見えない。そのかわり黄色い山吹があちこちに咲いている。
ときおりトンビがピュ〜ヒュルルルなどと飛んでくる。カジカ蛙がヒュ〜ケッケッケッケッッと鳴いている。船体を叩く波の音がノンビリしている。眠くなる。パドルを動かさず、じっとしているだけで船は静かに動いていく。眠い。
ふとみれば、姫様は爆睡中。
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姫様 爆睡中
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姫様は明日学校があるので、途中でぼくらと別れていった。ぼくたちは、そのまま波に揺られ、予定のキャンプ地に到着。およそ3時間の船旅。なにせ、普通の人が一日で下っていくコースを2日がかりでゆっくり行くのだから、まことにココロに余裕があるというのか、暇というか。
いや、良いのである。このノンビリさが那珂川に相応しいのである。
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2日目のテントサイト
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さて、2日目のテントサイトに到着。陸に上がった粗沈協会。大体役割が決まっている。ぼくと青年隊員のK氏はテント設営。事務局長は炊事周りの設営、ミッキー隊員は薪拾い、および食料調達(今日は野生のヨモギ摘み)。で、会長が総指揮。
およそ、そんなことを、これまたノンビリと行うのである。焦る必要がないのであるからしょうがない。そんなこんなで大体カタチができてくるころに川で冷やしたビールがテーブルに並ぶ。で、乾杯。到着の儀が執り行われ、再び河原の宴会が始まっていくのである。
その2に続く