□□ 05年9月
22日の深夜。ぼくは北に向かって車を走らせた。目指すは450キロ向こうにある魚野川だ。
小牧ICに入り、名神、中央、長野、信越、北陸、関越の高速道路を経由して小出ICまで行く。途中、眠くて頭がクラクラしてきたので松本の近くで仮眠した。関越に乗った頃夜が明けた。朝焼けに羊雲が輝いている。わくわくする。
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夜が明けた
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小出ICから浦佐に進み、魚野川に到着。朝もやの中で魚野川が勢いのいい音を響かせている。やはくパドルを握りたくなる。
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魚野川の流れ
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浦佐大橋の下で、コーヒーを沸かして朝食。コンビニ弁当とヨーグルト。
東京からやってきた粗沈協会メンバーと合流。ボートを車に積み替え出発地点に向かう。六日町市内の坂戸橋上流である。ここの河原でボートを組み立てる。
今日も姫様は健在である。
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河原で船を組み立てる むこうに坂戸橋
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いつも通り出発の儀。軽くビール。そして船に乗り込む。いつものことだが、わくわく感がたまらない。
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元気にいつもの出発の儀
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風は無い。水がやたらときれいだ。透き通っている。
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水がきれいだ
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魚野川は信濃川の支流で新潟県を流れる。谷川岳源頭から信濃川合流点まで68キロメートルの長さである。秋には鮭も遡上し、上流部には岩魚や山女が生息する。ぼくらはその中流部およそ12キロくらいを旅する。
魚野川は橋が多い。田中角栄の遺産だという人もいる。古い橋はどんどん新しく架け替えられていく。その金はどこから出ているのだろう…。今日はそういう事、考えるのよそう。
スタート地点。まずは坂戸橋。そして実佐島橋とくぐっていく。城巻橋付近に小さな瀬がある。船は狭くなった流れに乗って快調に進んでいく。右に左に船が揺れる。水の飛沫が上半身を濡らす。
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橋をくぐりぬける
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関越自動車道の下をくぐると古い石造りの橋が見えてくる。ここが八海橋だ。難所である。
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八海橋を見る 向こう側に流れが集中する
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八海橋の下はテトラポッドの巣になっている。テトラポッドに遮られた水はいったん大きく左に曲がる。そして橋に向かって流れは右に曲がり、橋の下を一気に抜けていく。その流れの下に隠れるテトラポッド。その抵抗によって水は大きなウェーブとなっている。
橋の上から覗き込むと、テトラポッドの嫌らしさが良くわかる。いや、治水をする立場からいえば、水の勢いをそぐ効果的な堰だ。
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白く泡立つ波の下はテトラの巣
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良く見れば、波の間に道がある。いけそうな気もする。しかし、下手をするとテトラの餌食になる。その場合、人は投げ出されて助かっても船体が破壊される。
結局、ここは船から降りて下まで運ぶ。ポーテージだ。
八海橋をぬけると左手に五日町スキー場が見えはじめ、空が広がる。右手はるかに明日登ろうと思っている八海山の頂が見える。今日のようによく晴れてくれるといいなあ。晴れてくれ。山に行くのも楽しみなんだから。
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雲のむこうに薄く八海山が見える
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空が広がる
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次に見えてくる大和橋。ここを抜けると今日2つめの難所が近づく。通称『浦佐の瀬』。『2段の瀬』ともいう。川が階段状にどすんどすんと2回落ちている。
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2段の瀬 上流側からみたところ
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2段の瀬 下流から望遠で
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2段の瀬の上流に船を停め様子をうかがう。姫様乗船の大型船はおとなしくポーテージ。ぼくと長老は上流から瀬を攻め下ることにした。
実は、ぼくもポーテージしようと思っていた。が、その直前、後から来た船が綺麗に抜けて行った。それを見て、よしぼくも、となったわけだ。
瀬のすこし上流まで船を戻し、めぼしをつけたポイントに向かって漕ぐ。階段状に流れがストンと落ちているので下の様子は直前にならないと判らない。
大きな落ち込みに乗って船はズンと舳先から水に突っ込む。大きな波がぼくを襲う。
流れにのって次の波に突っ込む。隠れ岩が見える。パドルを水に突き刺して船首をコントロール。岩をやり過ごす。この間、ものの十秒くらいのこと。
抜けた後の達成感。気持ち良い。チョー気持ち良い。
2段の瀬を抜けると浦佐大橋。ぼくらのテントサイトがある。終点だ。橋下に船をつけ上陸。
良い川旅だった。水は綺麗で流れに変化があり。適度な瀬が何箇所もあり。飽きない。那珂川とは違う楽しさがある。また来たい。
この後全員で、六日町に戻り車を回収。市内の銭湯に使ってサイトに帰ってきた。
ミッキー隊員がユーコン川から持ち帰ったビールで乾杯する。
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今夜も乾杯 ユーコンビール!
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夕べからの寝不足と日ごろの疲れが出て、ぼくは早々に寝させてもらった。深夜雨が降っていたらしい。ぼくは朝までひたすら寝た。
その2に続く